カテゴリー / クラファンの基本

クラウドファンディングの審査とは?基準・プラットフォーム別の違いと通過のための準備【一次情報比較】

この記事の目次

クラウドファンディングの審査では、そもそも何を確認されているのか

審査で見られているのは主に「計画の実現可能性」「起案者の信用性」「表現やカテゴリの適法性」の3つです。プラットフォームが自社の基準として運用していますが、内容の骨格はどの事業者でも近い考え方に基づいています。

公開までの流れ全体の中で審査がどこに位置するかは、クラウドファンディングの始め方を解説した記事で工程順に触れていますが、ここでは審査という論点だけを掘り下げます。

実現可能性・計画の具体性

資金の使い道、実施スケジュール、リターン(返礼品)を届けるまでの流れが具体的に説明できているかが見られます。抽象的な「頑張ります」という記述だけでは、審査担当者が実行可能性を判断できません。

実施者の信用性(個人か法人かによる要件差)

CAMPFIREの公式基準(2026年8月確認)では、実施者は国内在住であることに加え、原則18歳以上(成年)であることが求められます。ただし13歳以上18歳未満であれば、保護者の同意があれば申請できるという例外規定もあります。法人の場合は個人とは異なる確認事項が加わります。こうした年齢要件まで項目単位で明示しているのは主要4社の中でCAMPFIREのみで、他の3社は定量的な基準を公表していません(次章で比較します)。

禁止されている表現・カテゴリ

購入型・寄付型のクラウドファンディングは支援者への先払いであり、金融商品ではありません。そのため「投資」「利回り」「元本」といった投資を連想させる表現や、「寄付」「五輪」に関連する用語の不適切な使用は禁止されています。加えて、たばこ、ギャンブル、暗号資産的な性質を持つNFT、政治・宗教活動に関するプロジェクトは対象外とされています(出典:CAMPFIRE公式ヘルプ、2026年8月確認)。

プラットフォームによって審査基準・審査期間はどう違うのか

4社を比較すると、審査基準を項目単位まで開示しているのはCAMPFIRE1社のみです。Makuake(マクアケ)とGREEN FUNDINGは審査の存在自体は明記しつつ具体的な基準や日数を公表しておらず、READYFORは審査期間のみを公表しています。

比較の軸は「実行者負担の手数料」「審査所要期間」「審査基準の公開有無」の3つです。数値には出典と確認時点を添えています。

プラットフォーム 実行者負担の手数料 審査所要期間 審査基準の公開有無
CAMPFIRE(キャンプファイヤー) 17%+税(決済手数料5%を含む) 最短即日〜5日(土日祝日を除く。長期連休明けなどは延びる場合あり) 項目レベルで公式公開
Makuake(マクアケ) 20%(税抜。2024年7月22日申込分から改定。旧料率は税抜18.2%) 公式ヘルプに一次情報の明記なし(未確認) 非公開
READYFOR 14%(税別。運営手数料9%+決済手数料5%、ベーシックプラン。目標達成時のみ課金) 2〜3営業日 「法律の専門家の視点からも実施」との記載のみで詳細は非公表
GREEN FUNDING スタンダード:20.0%(税込、税抜換算18.2%)/パートナープラン:13.0%(税込、税抜換算11.9%)+初期費用1,430,000円(税込) 公式ページに日数の記載なし 「弊社内で審査」との記載のみで基準は非公表

出典:CAMPFIRE公式ヘルプ(https://help.camp-fire.jp/hc/ja/articles/230471687 ほか、2026年8月確認)、Makuake公式(https://www.makuake.co.jp/4307/ 、2026年8月確認)、READYFOR公式(https://cf.readyfor.jp/proposals 、2026年8月確認)、GREEN FUNDING公式(https://greenfunding.jp/about 、2026年8月確認)。手数料や審査運用は改定されることがあるため、申込み前に各社の公式ページで最新情報を確認してください。

Makuakeについては、検索結果の一部に「初回入稿から公開まで最短約15営業日、最終入稿から約8営業日」という情報が見られますが、公式ヘルプ上で一次情報として直接確認できなかったため、本稿では参考値・未確認として扱います。正式な日数は申込み前にMakuake公式ヘルプでご確認ください。

手数料の内訳をどう比べるかは判断軸が別なので、手数料を横並びで整理した記事で計算例とあわせて扱っています。Makuakeの手数料が2024年に改定された経緯は、マクアケの手数料と代行についての記事で扱っています。

カテゴリ別に必要な許認可・提出書類は何か

扱う商品やサービスによっては、審査の前提として許認可の取得や証明書類の提出が必要です。これは公開情報として各プラットフォームが明示している項目なので、ここで一度まとめて確認しておきます。

カテゴリ 必要な許認可・書類 補足
食品 食品衛生法に基づく営業許可(保健所への届出) 手作り品でも許可業種に該当する場合があります
酒類 酒税法に基づく酒類販売業免許 免許の種類によって扱える範囲が異なります
美容医療 対象外(禁止カテゴリ) 許認可の有無に関わらず審査対象になりません
電気製品・ガス機器 PSE(電気用品安全法)、PSC(消費生活用製品安全法) 該当製品はマーク表示等の要件も確認が必要です
輸入品 独占販売契約書などのエビデンス 権利関係を証明する書類の提出が求められます

出典:CAMPFIRE公式ヘルプ(https://help.camp-fire.jp/hc/ja/articles/4501249614105 、2026年8月確認)。他の3社についても類似のカテゴリ規制はありますが、項目単位での公式公開はCAMPFIREほど明確ではありません。

必要書類の準備自体を負担に感じる場合は、プロジェクトページの制作を代行会社に相談するという選択肢もあります。書類の要否を判断する軸は代行サービスについての記事で扱っています。

審査に落ちる・差し戻される典型パターンと、差し戻された後どう対処するか

差し戻しの多くは、許認可の不足以外に「禁止表現の使用」「実行可能性の説明不足」が原因です。許認可については前の章で扱った内容がそのまま該当するため、ここでは別の理由に絞って説明します。

禁止表現・不適切なリターン内容による差し戻し

「必ず儲かる」「投資として」といった表現や、実現性が疑わしいリターン内容(在庫や技術的な裏付けのない大量生産品の約束など)は差し戻しの対象になります。プロジェクトページの原稿を書く段階で、投資・利回りを連想させる語を使っていないか見直すことが有効です。

実行可能性の説明不足による差し戻し

資金の使い道やスケジュールが曖昧なまま公開申請すると、審査担当者が実行可能性を判断できず差し戻されることがあります。誰にいつまでに何を届けるのかを、金額の根拠とあわせて書くことが求められます。

差し戻しコメントへの対応の進め方

差し戻された場合は、担当者からのコメントに沿って該当箇所を修正し、再度提出する流れが一般的です。往復回数や再審査にかかる期間について公式に規定された回数はなく、個別のやり取りの中で対応が進みます。修正点が複数ある場合は、一度にまとめて直してから再提出すると、やり取りの往復を減らせます。

公開前の差し戻しと、公開後・資金調達後につまずくケースは原因も対処法もまったく異なります。後者についてはクラウドファンディングの失敗パターンを扱った記事で整理しています。

購入型以外(寄付型・株式型・不動産型・ファンド型)では審査はどう違うのか

購入型以外の類型では、審査を行う主体やプロセスが購入型と異なる場合があります。特に株式型やファンド型は金融商品取引法などの規制が関わるため、一般的な傾向として扱う説明にとどめます。

購入型との審査プロセスの違いの傾向

購入型はプラットフォーム運営会社が独自基準で審査するのに対し、株式型は金融商品取引業の登録を受けた事業者が関わる仕組みになっていることが一般的です。不動産型・ファンド型についても、扱う商品の性質上、法令に基づく確認プロセスが購入型より多い傾向があります。ただし、横並びで比較できるほど具体的な基準を示した一次情報は見つかっておらず、本稿では数値や審査期間を挙げての比較は行いません。

法規制が絡む類型は専門家確認が必須である理由

株式型・ファンド型・不動産型は金融商品取引法や関連法令が関わるため、審査基準や手続きの詳細は各プラットフォームの規約と、必要に応じて弁護士・税理士など専門家への確認が前提になります。この記事では一般的な考え方の紹介にとどめ、個別の判断は専門家への相談を前提としてください。

審査を通過した後に規約違反が発覚したらどうなるのか

審査を通過した後でも、規約に反する内容が発覚すれば、公開停止や強制終了といった措置が取られる可能性があります。これは多くのプラットフォームの利用規約に一般的に定められている考え方ですが、具体的な適用条件は各社の規約によって異なるため、本稿では条件や期間を数値で示すことは控えます。公開後に不安が生じた場合は、思い込みで対応を進めず、各社の利用規約を直接確認することをおすすめします。

自己支援やサクラによって達成率を演出したり、支援者数を水増ししたりする行為は、規約違反として扱われるリスクがあるだけでなく、発覚時にプロジェクトの信頼そのものを損ないます。実績は実際の支援状況をそのまま示すことが、長期的には起案者自身を守ることにつながります。

審査を通過しやすくするために、公開前に何を準備すればよいか

ここまでの内容を、公開前に自分で照合できるチェックリストとしてまとめます。新しい基準を追加するのではなく、これまでの章で扱った観点を実務の順番に並べ替えたものです。

実施者情報・本人確認書類の準備

  • 個人か法人か、実施者の区分を確認した
  • 未成年の場合、保護者の同意書を用意した(該当する場合)
  • 本人確認書類・登記情報など、プラットフォームが求める確認書類を揃えた

カテゴリ別許認可・エビデンスの準備

  • 食品を扱う場合、食品衛生法に基づく営業許可の有無を確認した
  • 酒類を扱う場合、酒類販売業免許の有無を確認した
  • 電気製品・ガス機器を扱う場合、PSE・PSCの適合状況を確認した
  • 輸入品を扱う場合、独占販売契約書などのエビデンスを用意した
  • 自分のカテゴリがそもそも掲載対象かどうか(美容医療など禁止カテゴリに該当しないか)を確認した

プロジェクトページ原稿での禁止表現チェック

  • 「投資」「利回り」「元本」など、金融商品と誤解される表現を使っていない
  • 「必ず」「確実に」など、成果を保証する表現を使っていない
  • リターンの内容と実現性(在庫・製造体制・技術的な裏付け)を具体的に書いた
  • 資金の使い道とスケジュールを、金額の根拠とあわせて説明した

目標金額の決め方とあわせて準備を進めたい場合は、目標金額の決め方を扱った記事も参考になります。チェックリストを埋めてみて、許認可の要否や表現の判断に迷いが残る項目があれば、相談窓口についての記事で自己診断の進め方を扱っています。

まとめ

クラウドファンディングの審査は、実現可能性・実施者の信用性・表現やカテゴリの適法性という基本軸に加えて、扱う商品によっては許認可の証明が求められます。CAMPFIREは基準を項目レベルで公式公開していますが、Makuake・READYFOR・GREEN FUNDINGは審査期間や基準の一部、あるいは全部を非公開としており、この違いを踏まえてどのプラットフォームで挑戦するかを検討する必要があります。

上のチェックリストを自分のプロジェクトに当てはめて、許認可の要否や規制業種への該当性が判断しきれない場合は、所管窓口や該当分野の専門家へ確認してください。プラットフォームの掲載可否は公式窓口で確認します。審査に向けた企画やページ制作を外部に任せる場合は、NO WAVEの支援範囲を確認できます。