この記事の目次
クラウドファンディングの手数料はどういう仕組みになっているのか?
クラウドファンディング(クラファン)の手数料は、ほとんどのプラットフォームで「利用手数料」と「決済手数料」を合わせた二階建ての構造になっています。この二つを分けて理解しておくと、各社の比較表を読み違えにくくなります。
利用手数料は、プラットフォームの運営・審査・掲載サポートに対する対価で、調達額に対する料率で設定されるのが一般的です。決済手数料は、クレジットカードやコンビニ決済など支援者が使う決済手段に対して発生するコストで、利用手数料に含めて公表している会社と、別建てで公表している会社があります。この「含めるかどうか」の違いが、後述する比較表の読み違えの原因になりやすい点です。
また、手数料の負担者にも違いがあります。多くのプラットフォームでは実行者(起案者)側が手数料を負担しますが、一部のプロジェクトやコースでは支援者側にも決済手数料の一部が上乗せされる設計があります。自分が使おうとしているプラットフォーム・コースがどちらの設計かは、公式ページの記載で事前に把握しておく必要があります。
寄付型・購入型・投資型・融資型で手数料の考え方は変わるのか?
はい、変わります。クラウドファンディングの類型(寄付型・購入型・投資型・融資型)によって手数料率だけでなく、審査基準や適用される法規制も異なるため、単純に横並びで比較することはできません。
本記事の比較表と手取り額シミュレーションは、リターン(返礼品)を支援者に提供する購入型を主な対象としています。寄付型は税制上の扱いや領収書発行の要件が異なり、投資型・融資型は金融商品取引法や貸金業に関する規制が絡むため、手数料の水準だけで良し悪しを判断できる領域ではありません。
投資型・融資型を本記事の比較対象外とする理由
投資型・融資型のクラウドファンディングは、資金の性質上「元本」「利回り」といった金融商品としての説明が必要になる場面があり、購入型・寄付型とは求められる情報開示の水準が根本的に異なります。これから投資型・融資型を検討する場合は、手数料比較の前に、金融商品取引法上の登録要件などを税理士・弁護士など専門家に確認することをおすすめします。
主要プラットフォームの手数料はいくら?最新比較表
購入型クラウドファンディングの主要プラットフォームでは、CAMPFIRE・Makuake(マクアケ)・READYFORの3社について、公式ページで確認できる料率が明示されています。GREEN FUNDING・Kibidango・MotionGallery(モーションギャラリー)は、公式一次情報での確認状況が社によって異なるため、その旨を注記したうえで掲載します。
比較の軸は「税込換算後の実質手数料率」「目標未達成(All-or-Nothing)時の扱い」「出典・確認時点」の3つに統一しています。
| プラットフォーム | 主な手数料率(税込) | 目標未達成時 | 出典・確認時点 |
|---|---|---|---|
| CAMPFIRE(標準コース) | 17% | コースにより異なるため要公式確認 | CAMPFIRE公式ヘルプセンター(2026年7月確認) |
| Makuake | 20%(2024年7月改定) | 手数料なしと公式明記 | Makuake公式サイトお知らせページ(2026年7月確認) |
| READYFOR(シンプルプラン) | 14% | プランにより異なるため要公式確認 | READYFOR実行者募集ページ(2026年7月確認) |
| READYFOR(フルサポートプラン) | 資料により表記に差があり本記事では確定値を明記しない | 同上 | 執筆時点で公式一次情報未確認、申込み前に要再確認 |
| GREEN FUNDING | プランにより初期費用の有無が異なり本記事では確定値を明記しない | 要公式確認 | 執筆時点で公式一次情報未確認、申込み前に要再確認 |
| Kibidango | 比較記事に散見される数値のみで公式一次情報未確認 | 要公式確認 | 二次情報(孫引き)につき参考値として扱う |
| MotionGallery | 比較記事に散見される数値のみで公式一次情報未確認 | 要公式確認 | 二次情報(孫引き)につき参考値として扱う |
CAMPFIRE(標準/for Social Good/machi-ya)
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)は標準コースのほかに、社会貢献色の強いプロジェクト向けのコースや、地域産品を扱うmachi-yaなど、目的別に複数のコース・サイトを運営しています。コースによって料率や審査基準が異なるため、自分のプロジェクトがどのコースに該当するかを申込み画面で確認してから比較することが大切です。
Makuake(2024年7月改定後の20%、目標未達成時は手数料なし)
Makuakeは2024年7月に手数料を18.2%から20%(税込)へ改定したことを公式に発表しています。目標未達成の場合は手数料が発生しない旨も公式に明記されており、詳しくは後述の「目標未達成(All-or-Nothing)の場合、手数料はどう扱われるのか?」で整理します。
READYFOR(シンプルプランは公式確認済み14%、フルサポートプランは執筆時に要再確認)
READYFORのシンプルプランは14%(税込)という料率を公式の実行者募集ページで確認できます。一方フルサポートプランについては、参照する資料によって記載されている数値に差があり、本記事執筆時点では確定値として断定しません。申込みを検討する段階で、公式ページの最新表記をあらためてご確認ください。
GREEN FUNDING(スタンダード/パートナーの初期費用の違い)
GREEN FUNDINGにはスタンダードプランのほか、初期費用が発生する代わりに手厚いサポートを受けられるパートナー向けのプランがあります。初期費用の有無というプラン構造自体は公式ページで説明されていますが、具体的な料率は本記事では明記せず、公式ページでの確認を前提とします。
Kibidango・MotionGallery(孫引き数値である旨の明示)
KibidangoとMotionGalleryについては、複数の比較記事で手数料の目安が紹介されているものの、本記事執筆時点で公式ページ上の一次情報として料率を確認できていません。このため上の比較表でも参考値としての位置づけにとどめており、実際に申込みを検討する際は各社の公式サイトで最新の料率を直接確認するようにしてください。
なお、代行会社を通じてプラットフォームに掲載する場合は、ここに挙げた手数料に加えて代行会社への費用が別途発生します。代行費用の相場や契約時の確認点はクラウドファンディング代行会社の選び方で詳しく整理しています。
手数料の「税込」と「税別」はどちらで見ればいいのか?
比較するときは税込表記に統一して見ることをおすすめします。記事やまとめサイトによって税込と税別が混在しており、同じ「20%」という表記でも実質負担額が異なって見えることがあるためです。
例えば税別18.2%という表記は、消費税10%を加えるとおおよそ20%相当になります。本記事の比較表とシミュレーションは、すべて税込換算後の数値で統一しています。プラットフォームの公式ページを直接見る際も、まず「税込か税別か」を最初に確認する習慣をつけておくと、誤読を防げます。
手数料が安い=お得とは限らないのはなぜか?(判断軸)
手数料率の低さだけでプラットフォームを選ぶと、集客力やサポート体制の差を見落とすことがあります。この節では一般的な判断軸を説明し、実際に自分のプロジェクトへ当てはめる方法は、後述の「自分のプロジェクトに合うプラットフォームはどう選べばいいのか?」で扱います。
手数料が高めに設定されているプラットフォームは、その分プロジェクトの露出を高める広告枠や、審査時の企画サポート、公開後の運用アドバイスなど、支援を集めるための仕組みに投資している場合があります。逆に手数料が低いプラットフォームは、こうしたサポートが最小限で、集客を実行者自身のSNSや既存の顧客基盤に依存する設計になっていることが少なくありません。
つまり比較すべきなのは「手数料率」単体ではなく、「手数料に対してどれだけの集客・サポートが付いてくるか」という費用対効果です。この視点を持ったうえで、次のシミュレーションと個別コストの整理に進んでください。
目標100万円・300万円を達成した場合、手取り額はいくらになる?
公式一次情報で料率が確認できているCAMPFIRE標準コース(17%)・Makuake(20%)・READYFORシンプルプラン(14%)の3社について、目標達成時の手取り額を試算すると、同じ調達額でも数万円から十数万円の差が出ます。
| プラットフォーム | 手数料率(税込) | 目標100万円達成時の手取り | 目標300万円達成時の手取り |
|---|---|---|---|
| CAMPFIRE(標準コース) | 17% | 83万円 | 249万円 |
| Makuake | 20% | 80万円 | 240万円 |
| READYFOR(シンプルプラン) | 14% | 86万円 | 258万円 |
この試算は「調達額×(1−手数料率)」という単純計算によるもので、リターンの原価・配送費・振込手数料・入金タイミングに伴うコストは含んでいません。実際の手取りはこれらを差し引いた後の金額になる点に注意してください。また、目標金額そのものをどう設定するかは、この記事のスコープには含めていません。逆算の考え方はクラウドファンディングの目標金額の決め方で解説しています。
具体的な調達目標に置き換えた手取り額を確認したい方は、資金調達計画の相談でシミュレーションの相談を承っています。
目標未達成(All-or-Nothing)の場合、手数料はどう扱われるのか?
Makuakeは目標未達成時に手数料が発生しないことを公式に明記しています。本節では公式情報で確認できる「発生する/しない」という事実のみを一覧にし、未達成が起きる背景や防止策には踏み込みません。
All-or-Nothing方式(目標金額に到達しなければ調達額が支援者に返金される方式)を採用しているプラットフォームでは、未達成時の手数料の扱いも各社で異なります。Makuake以外のプラットフォームについては、コースやプランによって扱いが分かれる場合があるため、該当箇所を公式ページで事前に確かめておきましょう。
未達成がなぜ起きやすいのか、どう防ぐかについてはクラウドファンディング失敗の典型パターンと対策で扱っています。手数料の事実確認と、未達成の原因分析は目的が異なるため、この記事ではあえて切り分けています。
最低手数料・初期費用・入金タイミングなど見落としがちなコストはあるか?
比較表の料率だけを見ていると見落としやすいコストとして、最低手数料・初期費用・入金タイミングに伴う費用の3つがあります。
GREEN FUNDINGのパートナー向けプランのように、手数料率とは別に初期費用が発生するプランもあります。READYFORについても、調達額が小さい場合に最低手数料が適用されるかどうかは、本記事執筆時点で公式一次情報を確認できておらず、申込み前の確認が欠かせません。また、支援金の入金タイミングはプラットフォームごとに異なり、プロジェクト終了から入金までの期間中の資金繰りを考慮しておく必要があります。
代行会社を利用する場合は、これらのプラットフォーム側のコストに加えて代行費用が加算されるため、総コストで比較したい場合はクラウドファンディング代行会社の選び方を合わせて確認してください。
手数料はなぜ今の水準なのか?値上げの背景を知っておく必要はあるか?
手数料は固定的な相場ではなく、プラットフォームの経営判断によって改定されることがあります。Makuakeが2024年7月に18.2%から20%へ料率を引き上げた事例は、この変動性を示す代表例です。
今回の比較表に載せた数値も、あくまで2026年7月時点で公式に確認できた内容であり、将来にわたって同じ水準が続く保証はありません。プラットフォームを選ぶ際は、比較時点の数値を固定的なものとして捉えず、契約・申込みの直前に改めて公式ページを確認する習慣を持っておくと安心です。
自社ECでクラウドファンディングを構築すれば手数料はゼロにできるのか?
プラットフォームの利用手数料はゼロにできますが、決済手数料や集客コスト、システム構築費用は別途発生するため、総コストがゼロになるわけではありません。
自社ECサイトやオウンドメディア上で支援を募る仕組みを構築すれば、プラットフォームに支払う利用手数料は発生しません。ただし、クレジットカードなどの決済代行サービスを利用する以上、決済手数料自体はどのみち必要になります。加えて、プラットフォームが提供している既存ユーザーへの露出や審査サポートがなくなるため、集客を自力で担う前提が必要になり、広告費やシステム構築・保守の費用が新たに発生します。自社構築の具体的な進め方については、本記事では扱いません。
プラットフォームを利用するか自社ECで構築するか、あるいは両者を組み合わせるかは、調達目標や既存の顧客基盤によって最適解が変わります。プラットフォーム利用と自社EC構築のどちらが自分のケースに合うか迷う場合は、比較の材料を資金調達計画の相談で一緒に整理できます。
自分のプロジェクトに合うプラットフォームはどう選べばいいのか?
前述の「手数料が安い=お得とは限らないのはなぜか?」で示した、手数料と集客力・サポートのトレードオフという判断軸を、実際のプロジェクト条件に当てはめると、初めて起案する場合と2回目以降とで最適なプラットフォームは変わってきます。
初めて起案する場合や、既存の顧客基盤が薄いプロジェクトでは、手数料がやや高めでもプラットフォーム側の集客導線やサポート体制が手厚いところを選ぶ方が、結果的にリターンを届けられる支援者数を確保しやすくなります。一方、SNSのフォロワーや既存顧客への告知力があるプロジェクトでは、手数料の低さを優先して手取り額を最大化する選び方も合理的です。ジャンル(プロダクト系・地域系・社会貢献系など)によって強みを持つプラットフォームが分かれる傾向もあるため、同ジャンルの掲載実績を公式サイトの事例ページで確認しておくとよいでしょう。
審査基準やスケジュールの詳細な進め方はクラウドファンディングの始め方で解説しています。自分のプロジェクト条件をもとにプラットフォームを絞り込みたい方は、資金調達計画の相談へ条件をお伝えください。
まとめ:結局、どのプラットフォームで、誰に相談すればいいのか
手数料の比較は起案の第一歩に過ぎず、類型(購入型・寄付型など)の違い、集客力とサポート体制のトレードオフ、自社EC構築との比較まで含めて判断する必要があります。
本記事で示したCAMPFIRE・Makuake・READYFORの料率とシミュレーションは、2026年7月時点で公式に確認できた情報に基づいています。料率が改定される可能性については前述の通りですので、申込みの直前にも最新の表記をあわせてご確認ください。GREEN FUNDING・Kibidango・MotionGalleryのように公式一次情報が確認しきれていない項目については、本記事の数値をそのまま鵜呑みにせず、公式サイトへの問い合わせも検討してください。
プラットフォーム選定から自社EC構築との比較まで、まとめて相談したい方は資金調達計画の相談からお問い合わせください。