この記事の目次
クラウドファンディングの手数料はどういう仕組みになっているのか?
クラウドファンディング(クラファン)の手数料は、ほとんどのプラットフォームで「利用手数料」と「決済手数料」を合わせた二階建ての構造になっています。この二つを分けて理解しておくと、各社の比較表を読み違えにくくなります。
利用手数料は、プラットフォームの運営・審査・掲載サポートに対する対価で、調達額に対する料率で設定されるのが一般的です。決済手数料は、クレジットカードやコンビニ決済など支援者が使う決済手段に対して発生するコストで、利用手数料に含めて公表している会社と、別建てで公表している会社があります。この「含めるかどうか」の違いが、後述する比較表の読み違えの原因になりやすい点です。
また、手数料の負担者にも違いがあります。多くのプラットフォームでは実行者(起案者)側が手数料を負担しますが、一部のプロジェクトやコースでは支援者側にも決済手数料の一部が上乗せされる設計があります。自分が使おうとしているプラットフォーム・コースがどちらの設計かは、公式ページの記載で事前に把握しておく必要があります。
寄付型・購入型・投資型・融資型で手数料の考え方は変わるのか?
はい、変わります。クラウドファンディングの類型(寄付型・購入型・投資型・融資型)によって手数料率だけでなく、審査基準や適用される法規制も異なるため、単純に横並びで比較することはできません。
本記事の比較表と手取り額シミュレーションは、リターン(返礼品)を支援者に提供する購入型を主な対象としています。寄付型は税制上の扱いや領収書発行の要件が異なり、投資型・融資型は金融商品取引法や貸金業に関する規制が絡むため、手数料の水準だけで良し悪しを判断できる領域ではありません。
投資型・融資型を本記事の比較対象外とする理由
投資型・融資型のクラウドファンディングは、資金の性質上「元本」「利回り」といった金融商品としての説明が必要になる場面があり、購入型・寄付型とは求められる情報開示の水準が根本的に異なります。これから投資型・融資型を検討する場合は、手数料比較の前に、金融商品取引法上の登録要件などを税理士・弁護士など専門家に確認することをおすすめします。
主要プラットフォームの手数料はいくら?最新比較表
CAMPFIRE・Makuake・READYFORは、2026年9月9日に公式情報と照合しました。個別契約・追加サポート・キャンペーンによって実際の負担は変わるため、申込み時の条件を優先してください。
比較の軸は「税込換算後の実質手数料率」「目標未達成(All-or-Nothing)時の扱い」「出典・確認時点」の3つに統一しています。
| プラットフォーム | 主な手数料率(税込) | 目標未達成時 | 出典・確認時点 |
|---|---|---|---|
| CAMPFIRE(標準コース) | 18.7%(税別17%) | All-or-Nothing未達では不成立。All-inは支援金が1円以上で成立 | 公式掲載手数料(2026年9月9日確認) |
| Makuake | 22%(税別20%、決済手数料込み) | All-or-NothingとAll-inで扱いが異なる | 公式料金ヘルプ(2026年9月9日確認) |
| READYFOR(ベーシック) | 15.4%(税別14%) | 募集方式と契約条件を確認 | 公式改定案内・2026年4月追記(2026年9月9日確認) |
| READYFOR(サポート/コンサルティング) | 税別14%+各追加手数料に消費税を加算 | 同上 | 同公式案内。追加手数料は個別確認 |
| GREEN FUNDING | 個別の掲載条件・費用を確認 | 要公式確認 | 公式利用規約。本表では料率を確定しない |
| Kibidango | 16.5%(税別15%) | 方式・契約条件を確認 | 公式改定案内(2026年9月9日確認) |
| MotionGallery | 税区分・募集方式を確認して比較 | 要公式確認 | 公式実行者向け案内。税込換算は本記事で未確認 |
CAMPFIRE(標準/for Social Good/machi-ya)
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)は標準コースのほかに、社会貢献色の強いプロジェクト向けのコースや、地域産品を扱うmachi-yaなど、目的別に複数のコース・サイトを運営しています。コースによって料率や審査基準が異なるため、自分のプロジェクトがどのコースに該当するかを申込み画面で確認してから比較することが大切です。
Makuake(税別20%・税込22%、募集方式を確認)
Makuakeの公式料金ヘルプは、決済手数料込みで税別20%・税込22%としています。広告出稿やイベント出展などは別途料金がかかる場合があります。目標未達時の扱いは募集方式によるため、「未達なら必ず手数料なし」とは判断できません。
READYFOR(ベーシックは税別14%・税込15.4%)
公式改定案内の2026年4月23日追記では、ベーシックは運営9%と決済5%を合わせた税別14%です。消費税10%を加えると15.4%になります。サポートとコンサルティングは、それぞれの追加手数料が発生します。旧版の「シンプルプラン・税込14%」はプラン名と税区分が不正確だったため訂正しました。
GREEN FUNDING(個別の掲載条件を確認)
掲載に関する個別の見積もりで、料率だけでなく初期費用・追加支援・決済費用・税区分を確認してください。旧版にあったプラン別の初期費用の説明は、裏付けを確認できていないため取り下げました。
Kibidango・MotionGallery(適用時期と税区分を確認)
Kibidangoは2025年7月1日以降に開始するプロジェクトから税別15%へ改定しています。消費税10%を含めると16.5%です。旧料率の紹介記事を参照しないよう注意してください。MotionGalleryは公式ページに合計10%の案内がありますが、本記事では税区分と募集方式ごとの条件を十分に照合できていないため、税込比較や試算には使っていません。
なお、代行会社を通じてプラットフォームに掲載する場合は、ここに挙げた手数料に加えて代行会社への費用が別途発生します。代行費用の相場や契約時の確認点はクラウドファンディング代行会社の選び方で詳しく整理しています。
手数料の「税込」と「税別」はどちらで見ればいいのか?
比較するときは税込表記に統一して見ることをおすすめします。記事やまとめサイトによって税込と税別が混在しており、同じ「20%」という表記でも実質負担額が異なって見えることがあるためです。
例えば税別18.2%という表記は、消費税10%を加えるとおおよそ20%相当になります。本記事の比較表とシミュレーションは、すべて税込換算後の数値で統一しています。プラットフォームの公式ページを直接見る際も、まず「税込か税別か」を最初に確認する習慣をつけておくと、誤読を防げます。
手数料が安い=お得とは限らないのはなぜか?(判断軸)
手数料率の低さだけでプラットフォームを選ぶと、集客力やサポート体制の差を見落とすことがあります。この節では一般的な判断軸を説明し、実際に自分のプロジェクトへ当てはめる方法は、後述の「自分のプロジェクトに合うプラットフォームはどう選べばいいのか?」で扱います。
手数料が高めに設定されているプラットフォームは、その分プロジェクトの露出を高める広告枠や、審査時の企画サポート、公開後の運用アドバイスなど、支援を集めるための仕組みに投資している場合があります。逆に手数料が低いプラットフォームは、こうしたサポートが最小限で、集客を実行者自身のSNSや既存の顧客基盤に依存する設計になっていることが少なくありません。
つまり比較すべきなのは「手数料率」単体ではなく、「手数料に対してどれだけの集客・サポートが付いてくるか」という費用対効果です。この視点を持ったうえで、次のシミュレーションと個別コストの整理に進んでください。
目標100万円・300万円を達成した場合、手取り額はいくらになる?
CAMPFIRE標準コース(18.7%)、Makuake(22%)、READYFORベーシック(15.4%)について、税込手数料のみを差し引いた金額を試算します。いずれも個別の追加費用がない場合の計算例で、利益や最終的な振込額を保証するものではありません。
| プラットフォーム | 手数料率(税込) | 目標100万円達成時の手取り | 目標300万円達成時の手取り |
|---|---|---|---|
| CAMPFIRE(標準コース) | 18.7% | 81.3万円 | 243.9万円 |
| Makuake | 22% | 78万円 | 234万円 |
| READYFOR(ベーシック) | 15.4% | 84.6万円 | 253.8万円 |
この試算は「調達額×(1−手数料率)」という単純計算によるもので、リターンの原価・配送費・振込手数料・入金タイミングに伴うコストは含んでいません。実際の手取りはこれらを差し引いた後の金額になる点に注意してください。また、目標金額そのものをどう設定するかは、この記事のスコープには含めていません。逆算の考え方はクラウドファンディングの目標金額の決め方で解説しています。
具体的な調達目標に置き換えて手取り額を計算する際は、代行に依頼する場合の費用も分けて見込みます。NO WAVEの料金プランでは、その比較に使える固定費と成功報酬を確認できます。
目標未達成(All-or-Nothing)の場合、手数料はどう扱われるのか?
目標未達成とプロジェクト不成立は同じではありません。CAMPFIREの公式説明では、All-or-Nothingは目標達成、All-inは支援金が1円以上の場合に成立し、掲載手数料が発生します。Makuakeも公式料金ヘルプで実施方式によって仕組みが異なると案内しています。
All-or-Nothing方式(目標金額に到達しなければ調達額が支援者に返金される方式)を採用しているプラットフォームでは、未達成時の手数料の扱いも各社で異なります。Makuake以外のプラットフォームについては、コースやプランによって扱いが分かれる場合があるため、該当箇所を公式ページで事前に確かめておきましょう。
未達成がなぜ起きやすいのか、どう防ぐかについてはクラウドファンディング失敗の典型パターンと対策で扱っています。手数料の事実確認と、未達成の原因分析は目的が異なるため、この記事ではあえて切り分けています。
最低手数料・初期費用・入金タイミングなど見落としがちなコストはあるか?
比較表の料率だけを見ていると見落としやすいコストとして、最低手数料・初期費用・入金タイミングに伴う費用の3つがあります。
個別契約では、初期費用・最低手数料・追加サポート料・振込費用の有無を確認してください。料率表だけでは最終支出を確定できません。また、プロジェクト終了から入金までの期間に必要になる支払いも資金計画に含めます。
代行会社を利用する場合は、これらのプラットフォーム側のコストに加えて代行費用が加算されるため、総コストで比較したい場合はクラウドファンディング代行会社の選び方を合わせて確認してください。
手数料はなぜ今の水準なのか?値上げの背景を知っておく必要はあるか?
手数料は改定されることがあります。古い紹介記事の数字を現在の契約条件とみなさず、公式の料金ページで適用時期と税区分を確認してください。
確認した料率も将来にわたって同じ水準が続く保証はありません。契約・申込みの直前に公式ページと個別の見積もりを再確認してください。
自社ECでクラウドファンディングを構築すれば手数料はゼロにできるのか?
プラットフォームの利用手数料はゼロにできますが、決済手数料や集客コスト、システム構築費用は別途発生するため、総コストがゼロになるわけではありません。
自社ECサイトやオウンドメディア上で支援を募る仕組みを構築すれば、プラットフォームに支払う利用手数料は発生しません。ただし、クレジットカードなどの決済代行サービスを利用する以上、決済手数料自体はどのみち必要になります。加えて、プラットフォームが提供している既存ユーザーへの露出や審査サポートがなくなるため、集客を自力で担う前提が必要になり、広告費やシステム構築・保守の費用が新たに発生します。自社構築の具体的な進め方については、本記事では扱いません。
プラットフォームを利用するか自社ECで構築するか、あるいは両者を組み合わせるかは、調達目標や既存の顧客基盤によって最適解が変わります。クラファンの代行を使う案の費用を確認したい場合は、NO WAVEの料金プランを比較材料にしてください。
自分のプロジェクトに合うプラットフォームはどう選べばいいのか?
前述の「手数料が安い=お得とは限らないのはなぜか?」で示した、手数料と集客力・サポートのトレードオフという判断軸を、実際のプロジェクト条件に当てはめると、初めて起案する場合と2回目以降とで最適なプラットフォームは変わってきます。
初めて起案する場合や、既存の顧客基盤が薄いプロジェクトでは、手数料がやや高めでもプラットフォーム側の集客導線やサポート体制が手厚いところを選ぶ方が、結果的にリターンを届けられる支援者数を確保しやすくなります。一方、SNSのフォロワーや既存顧客への告知力があるプロジェクトでは、手数料の低さを優先して手取り額を最大化する選び方も合理的です。ジャンル(プロダクト系・地域系・社会貢献系など)によって強みを持つプラットフォームが分かれる傾向もあるため、同ジャンルの掲載実績を公式サイトの事例ページで確認しておくとよいでしょう。
審査基準やスケジュールの詳細な進め方はクラウドファンディングの始め方で解説しています。プラットフォームを絞り込む際に外部委託費も比較したい方は、NO WAVEの料金プランで代行費用と支援内容を確認できます。
比較表を使う前の最終確認
手数料率だけで掲載先を決めず、募集方式、審査、入金時期、カテゴリ適合、必要な支援機能も並べます。契約直前にはCAMPFIRE、Makuake、READYFOR、GREEN FUNDINGの公式ページで適用条件を再確認してください。
制作支援を依頼する場合、その費用はプラットフォーム手数料と別です。NO WAVEはベーシック10万円+支援総額10%、プレミアム20万円(いずれも税別)で、原則All-in型のベーシックは実際の支援総額が成功報酬の分母になります。
まとめ:結局、どのプラットフォームで、誰に相談すればいいのか
手数料の比較は起案の第一歩に過ぎず、類型(購入型・寄付型など)の違い、集客力とサポート体制のトレードオフ、自社EC構築との比較まで含めて判断する必要があります。
今回の試算は、2026年9月9日に公式情報と照合したCAMPFIRE・Makuake・READYFORの税込料率を使っています。申込み前には各社の最新料金と、追加費用を含む契約条件をご確認ください。
クラファンの代行費用も含めて進め方を比較する場合は、NO WAVEの料金プランをご確認ください。個別の依頼範囲については、プランの案内から相談へ進めます。
この工程を外部に任せたい方へ
自分で進める部分と依頼する部分を分けたい場合は、業務範囲と見積もり前の確認点も参考にしてください。
代行費用と総支出の試算 →