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クラウドファンディングの事前集客はいつから何をする? KPIの立て方とチャネルの選び方

この記事の目次

事前集客の意味と、公開後の成否を左右する理由

クラウドファンディングにおける事前集客とは、プロジェクトを公開する前に、支援してくれそうな人との接点をあらかじめ作っておく活動を指します。プラットフォーム上の「お気に入り登録」、SNSのフォロワー、メールマガジンやLINE公式アカウントの登録者数を、公開日までに積み上げておくことがこれにあたります。

なぜこの準備が公開後の結果に影響しやすいのかというと、後から見た支援者は「すでにどれだけの人が支援しているか」「達成率がどのくらい伸びているか」を、支援するかどうかの判断材料にする傾向があるとよく言われるためです。

CAMPFIREをはじめとする主要プラットフォームの運営元は、公開直後の勢い(達成率や支援人数の伸び)がその後の支援を後押ししやすいという趣旨の説明を、自社のノウハウ発信の中で行っていることがあります。ただし具体的な数値や算出方法は公開時点によって変わり、非公開のケースもあるため、本記事では特定の数値を断定的に引用するのではなく、「公開前にどれだけの母数を用意しておくか」という考え方に絞って解説します。全体の手順の中で事前集客がどの位置づけにあるかは、クラウドファンディングのやり方全手順ガイドで確認できます。

なお、本記事で紹介する数値・比率・プラットフォーム比較はいずれも目安であり、断定的な実績を示すものではありません。法務判断や各社の最新情報については、専門家または公式ページで確認してください。

必要なリストの規模をKPIから逆算する考え方

必要なリストの規模は、「目標金額 ÷ 平均支援単価 = 必要支援者数」を起点に、そこへ登録者からどのくらいの割合が支援へ転換しそうかを仮置きして逆算すると、おおよその目安が出せます。

計算の型を架空の数値で示す

以下は計算ロジックを説明するための架空の数値例であり、実際の成果や特定プロジェクトの実績を示すものではありません。

  • 目標金額:100万円
  • 想定する平均支援単価:8,000円
  • 必要支援者数 = 100万円 ÷ 8,000円 = 125人
  • 仮に登録者からの転換率を10%と置く場合:事前に確保したい登録者数の目安 = 125人 ÷ 10% = 1,250人
  • 仮に転換率を20%と置く場合:同じ125人を得るための目安は625人

自分のプロジェクトに当てはめる場合は、次の順番で数値を埋めていくと計算がしやすくなります。

  1. 目標金額( )円
  2. 想定する平均支援単価( )円
  3. 必要支援者数 = 1 ÷ 2 = ( )人
  4. 仮の転換率( )%
  5. 事前に確保したい登録者数の目安 = 3 ÷ 4 = ( )人

転換率の数値はプラットフォームで公表状況が異なる

転換率(登録者のうち実際に支援に至る割合)については、プラットフォームや代行会社によって参照する数値も算出方法の開示状況も異なり、幅があります。

代替として現実的なのは、自分自身が過去に発信したSNS投稿やメールマガジンのクリック率・反応率など、手元にあるデータから仮の転換率を置いて試算し、公開後の実績が出たら数値を更新していくやり方です。この場合も「これは自分のプロジェクト固有の仮定値です」という前提を忘れないようにします。

目標登録者数を決めたあとは、実際にリストを増やし続け、目標との差分を定期的に確認していく管理作業が発生します。このKPI管理やチャネルごとの運用まで自分たちだけで回しきれるか不安がある場合は、事前集客の支援を含めた費用感をクラウドファンディング代行の費用相場と契約前に確認すべきことで確認できます。

事前集客を始めるべき時期の目安

多くの解説記事や代行会社が目安として挙げているのは、公開の1〜2か月前から本格的に動き出す流れです。ただしプロジェクトの規模や、すでにどのくらいの接点があるかによって前後します。

逆算で必要になる準備を大まかな時期に分けると、次のようになります。

目安の時期 主な作業
公開2か月前ごろ〜 既存リストの棚卸し、ティザーLPの準備、広告アカウントの開設・審査
公開1か月前ごろ〜 SNS発信の頻度アップ、関係者への個別連絡、プレスリリース準備
公開1〜2週間前 広告出稿の開始、登録者への公開日リマインド

このスケジュールはあくまで一般的な目安であり、実際にはプロジェクトの規模や体制によって前倒し・後ろ倒しが必要になります。着手前の確認用に、次のような項目でチェックしておくと抜け漏れを防ぎやすくなります。

  • 既存リスト(顧客・取引先・LINE登録者など)の数を数えたか
  • ティザーLPを用意したか
  • 広告アカウントの開設・審査を済ませたか
  • SNS発信のスケジュールを立てたか
  • 直接連絡する相手のリストを作ったか
  • 目標登録者数と、進捗を確認する頻度を決めたか

既存の関係者に伝えるべきこと

まず伝えるべきなのは、プロジェクトの背景・公開予定日・してほしい具体的な行動の3点です。誰に声をかけるかを考える前に、この3点を整理しておくと連絡の質が安定します。

支援者は「知人」「知人からの紹介」「面識のない人」のように、関係性の異なる複数の層から集まるのが一般的です。それぞれの層からどれくらいの支援が見込めるかは出典が明確な数値がない場合も多いため、自分のプロジェクトでは既存の関係先・紹介・新規のどこに重点を置くかを、手元にある実際の接点の数から個別に見積もっておくとよいでしょう。

既存の関係者に直接連絡する際は、次の要素を伝えると相手が動きやすくなります。

  • なぜこのプロジェクトをやろうと思ったか(背景・課題意識)
  • 公開予定日と支援を受け付ける期間
  • してほしい具体的な行動(お気に入り登録、SNSでのシェアなど)
  • リターン(返礼品)の概要

フォロワーやリストがない場合の始め方

フォロワーやメール・LINEのリストがまだない場合は、フォロワー数に依存しない既存の関係先を起点にするのが現実的です。ゼロから発信を積み上げるより時間はかかりますが、着実に接点を作れます。

具体的な候補としては、次のようなものがあります。

  • 既存の取引先・顧客リスト(すでに名刺交換やメールのやり取りがある相手)
  • 地域の商工会・自治会・自治体の広報チャネル
  • 業界団体・組合の会報やメーリングリスト
  • プレスリリース配信サービスを通じた地域メディア・専門メディアへの情報提供

こうした代替策から着手する場合、H2-3で示した「公開1〜2か月前」よりも前倒しで動き出す必要があります。信頼関係のない相手に情報を届け、興味を持ってもらうまでに時間がかかるためです。

ティザーLP(予告サイト)に載せるべき要素

ティザーLP(公開前に情報を出しておく予告サイト)に載せておきたい要素は、プロジェクト概要・公開予定日・登録フォーム・SNSへの誘導動線の4つです。これらが揃っていないと、せっかく訪れた人が離脱してしまいます。

  • プロジェクトの概要(何をするのか、なぜ必要なのか)
  • 公開予定日(支援を開始できる日)
  • メール・LINEなどの登録フォーム
  • 運営中のSNSアカウントへのリンク

フォームで個人情報を取得する際の注意点

登録フォームでメールアドレスや氏名を取得する際は、個人情報保護法の一般的な考え方として、利用目的をあらかじめ明示し、必要最小限の項目にとどめることが求められます。フォームには利用目的を明示する一文と、取得項目を必要最小限に絞った設計にしておきます。

SNS・広告の使い分け方

SNS・LINE公式・広告は、相手との関係の深さで役割を分けて考えると整理しやすくなります。関係が濃い相手には直接届くチャネルを、関係が薄い相手には広くリーチできるチャネルを充てるという考え方です。

チャネル 相手との関係性 到達スピード 向いているタイミング
LINE公式アカウント 既存の濃い関係(顧客・支援経験者など) 速い 公開直前のリマインドなど
自身・自社のSNS 中程度(フォロワー・見込み客) 中程度 準備期間全体を通じた継続発信
Web広告(Meta広告等) 薄い(新規のリーチ) 予算次第 母数を広げたいフェーズ

広告出稿時に注意したい表現規制

広告でプロジェクトやリターンの効果・効能を訴求する際は、景品表示法や、内容によっては薬機法に抵触しうる表現がないかを確認する必要があります。広告文言は、出稿前に媒体側の審査基準と照らし合わせてチェックしておきます。

マクアケ経由の広告からどの程度支援につながるかという数値は、代行会社の運用実績として紹介されることがありますが、算出根拠が明示されていない場合が多く、本記事では具体的な数値は挙げません。出稿を検討する際は、広告媒体や依頼先に最新の実績データの根拠を確認することをおすすめします。

プラットフォームによる事前集客の傾向差

CAMPFIRE・マクアケ(Makuake)・READYFORなど主要なプラットフォームは、想定するプロジェクトのジャンルや、公式に発信しているノウハウの重点が異なる傾向があります。

比較軸 一般的な傾向
主に想定されているジャンルの傾向 プラットフォームごとに、プロダクト系・社会性の高いプロジェクト系など強みとされる分野に違いがあるとされる
事前集客に関する公式情報の発信状況 運営元によって、事前準備を扱ったノウハウ記事の充実度に差がある
確認しておきたいポイント 手数料や審査基準、事前集客に関する推奨事項は改定されることがあるため、申込み前に公式ページで再確認する

キャンプファイヤー(CAMPFIRE)を含め、どのプラットフォームを選ぶかによって手数料や審査の実務も変わってきます。この点は本記事のテーマである事前集客からは外れるため、詳細はクラウドファンディングのやり方全手順ガイドを参照してください。プラットフォーム選定や事前集客を含めた代行の相談については、クラウドファンディング代行の費用相場と契約前に確認すべきことでも整理しています。

事前集客が想定を下回ったときの延期判断

延期すべきかどうかに一律の正解はなく、事前登録者数の不足がどの程度か、残りの準備期間で挽回できそうなチャネルがあるかによって判断が変わります。

判断材料として整理しておきたいのは、次のような点です。

  • 目標としていた登録者数と、実際の登録者数のギャップがどのくらいあるか
  • 残された準備期間で、まだ手をつけていないチャネル(既存の関係先への連絡、プレスリリースなど)があるか
  • 目標金額や平均支援単価の設定自体に無理がなかったか

事前集客が想定を下回ったまま公開した場合にどうなりやすいか、公開後の未達成時にどう対応するかについては、クラウドファンディングが失敗する典型パターンで扱っています。延期を選ぶにせよ、そのまま公開するにせよ、判断基準を事前に決めておくと迷いが少なくなります。

まとめ

事前集客のKPIは、「目標金額 ÷ 平均支援単価 = 必要支援者数」を起点に、仮の転換率を置いて事前登録者数の目安に変換する考え方から組み立てられます。チャネルは、関係の深さに応じて既存リスト・SNS・ティザーLP・広告を使い分けるのが基本の型です。

実際に取り組むと、LP制作、登録者の管理、フェーズごとの発信設計、広告出稿と表現チェックなど、公開前だけでもかなりの実務が発生します。自力でここまでやりきれるか判断がつかない場合は、事前集客を含めた相談先としてサービス紹介ページや、クラウドファンディング代行の費用相場と契約前に確認すべきこともあわせてご覧ください。