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クラウドファンディングのプレスリリース、書き方・配信タイミング・費用を整理

この記事の目次

クラウドファンディングのプレスリリースは、起案者が自分で出すものか

プレスリリースは、SNSやすでにつながっている支援者リストとは異なる母集団、つまりメディア経由で初めてプロジェクトを知る新規層に届けるための手段です。起案者自身が主体となって出すのが基本ですが、文章の下書きや配信作業を外部に補ってもらう選択肢もあります。

クラウドファンディング(クラファン)の広報活動には、プレスリリース以外にもSNS運用や事前登録の募集など複数のチャネルがあります。それぞれの位置づけやKPIの考え方は事前集客の記事で扱っているので、本記事ではプレスリリースという一つの施策に絞って、いつ・何を・どこに出すかを具体的に見ていきます。プロジェクト全体の意思決定の流れを先に確認したい場合は、起案の進め方をまとめた記事から読むと位置づけがつかみやすくなります。

配信タイミングの設計:複数回配信を逃さないために

プレスリリースは開始前・開始時の一回きりではなく、中盤の節目や目標達成時、終了時にも配信の機会になり得ます。それぞれの回で「何が新しいニュースなのか」をはっきりさせることが、メディアに取り上げてもらう条件になります。

開始前・開始時に出す理由

開始前は、プロジェクトの存在自体がニュースです。実施の背景、目的、目標金額、期間、募集開始日を伝えることで、開始直後のアクセスにつながる可能性があります。開始のタイミングでプレスリリースを打つ場合は、全体スケジュールのどのフェーズに位置づけるかを先に決めておくと、他の準備作業と重ならずに済みます。フェーズ設計自体の考え方はスケジュールの記事で解説しています。

中盤の節目を逃さない設計

目標金額の達成、支援者数の節目(100人、500人など)、残り日数が一定数を切ったタイミングなどは、開始前とは違う切り口のニュースになります。特に目標を早期に達成し、追加の目標(ネクストゴール)を発表する場合は、それ自体が新しい発表として成立しやすくなります。ネクストゴールの伝え方についてはこちらの記事を参照してください。逆に支援の伸びが鈍化している時期であれば、プレスリリースだけに頼らず支援が伸び悩んだときの打ち手もあわせて検討する時期といえます。

達成・終了時のフォローアップ

目標達成の報告、最終的な支援総額の報告、プロジェクトの今後の展開といった終了後の情報も、活動の透明性を示す材料になります。特に自治体や地域事業者が関わるプロジェクトでは、終了後の報告が次回以降の信頼につながることもあります。

何を書けばいいのか?盛り込むべき要素と構成

タイトルにはプロジェクト名・クラウドファンディングである旨・目的を明示し、リード文は5W1Hで要点をまとめ、本文は背景から呼びかけまでの流れで組み立てます。

タイトルとリード文の型

タイトルは「〇〇(プロジェクト名)、クラウドファンディングで〇〇を目指し〇月〇日から開始」のように、何を・誰が・いつ、が一目で分かる形にします。リード文(タイトル直後の数行)には、いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように、という5W1Hを詰め込み、本文を読まなくても概要が伝わる状態にします。

本文で外せない要素

本文は、背景・課題(なぜこの取り組みが必要か)、取り組み・想い(誰がどんな思いで始めたか)、内容(プロジェクトの具体的な中身)、呼びかけ(支援の呼びかけと期間・URL)という流れで書くと、初めて読む記者にも伝わりやすくなります。返礼品(リターン)の内容に触れる場合は、実物と異なる印象を与えないよう具体的に書きます。リターンの見せ方の実例はこちらの記事で紹介しています。

背景や社会的な意義を説明する際は、事実確認できない実績や数値、効果を書かないことが大切です。地域への貢献や社会的インパクトを語りたくなる場面ほど、裏付けのない表現が紛れ込みやすいので注意します。

画像・動画・問い合わせ先の実務

プレスリリースには、プロジェクトの写真や動画、代表者の顔写真などを添付すると、メディア側が記事化しやすくなります。末尾には会社名・担当者名・電話番号・メールアドレスなど、実際に連絡が取れる問い合わせ先を明記します。この問い合わせ先は、実際に連絡が取れる状態にしておきます。

配信サービスの費用を比較する

主なプレスリリース配信サービスには、都度配信・月額の使い放題・年間契約があり、契約期間が長いほど1回あたりの単価が下がる傾向があります。以下は各社公式サイトに掲載されている料金です(2026年9月9日確認、特記のない限り税抜)。

サービス プラン 料金
PR TIMES 都度配信 30,000円/1件
PR TIMES 年間契約(月30件まで、年契約) 7万円/月
PR TIMES 半年契約(月30件まで) 7.5万円/月
PR TIMES 月契約(月30件まで) 8万円/月
共同通信PRワイヤー スタンダード・スポット配信 78,000円/回
共同通信PRワイヤー スタンダード・年間5回契約 186,000円(1回あたり37,200円)
共同通信PRワイヤー 年間定額(月30本まで) 900,000円/年
valuepress エコノミー(都度配信) 30,000円/回
valuepress スタンダード(30日自動更新・配信し放題) 35,000円/30日
valuepress ビジネス(30日自動更新・メディアフォロー10媒体付帯) 70,000円/30日
アットプレス サポート配信 3.98万円〜

PR TIMESは契約期間別の月額に加え、月30件を超える場合の追加料金も案内しています。アットプレスはサポート配信の開始価格を掲載していますが、選択内容と税の扱いを申込時に確認してください。配信料に原稿制作・取材対応まで含まれるとは限りません。

配信先の件数や記事化実績は、自分の案件の掲載を保証するものではありません。対象媒体と自社の読者が合うかを先に確認します。

配信費用を含めた資金全体の考え方は費用のハブ記事にまとめており、目標金額に対する支出のシミュレーションはこちらの記事で確認できます。ただしそのシミュレーションではプレスリリース配信費用は対象に含めていないため、必要であれば上の表の金額を別途足し込んで考える必要があります。

プラットフォーム経由の割引を確認する

割引・無料配信の案内を見つけた場合は、過去の提携発表だけで予算から配信費を除外しないでください。実行者向け管理画面または担当者を通じて、現在の受付状況、対象プラン、達成条件、申込期限、配信回数を確認します。

確認が取れるまでは上の通常料金で予算を置き、適用が決まった時点で差額を反映します。外注先が配信する場合は、その契約でも特典が使えるか、配信費の重複請求がないかを見積書で確認してください。

自分で書く・配信サービスを使う・代行に頼む、どれを選べばいいか

判断の軸は、かかる時間を確保できるか、文章化が得意かどうか、必要な配信範囲の広さ、そして予算感の4つです。この4軸を自分のプロジェクトに当てはめると、どこまで自分でやるかが決めやすくなります。

自分で書く・配信 配信サービスを利用 代行に依頼
かかる時間 執筆・配信先選定まで自前で行うため多い 執筆は自前、配信作業はサービス側が代行 執筆・配信ともに依頼先が対応
必要なスキル 文章化と配信先への理解が必要 文章化のスキルは必要 特になし(打ち合わせで方向性を伝える)
配信範囲の広さ 個別のメディアへの直接送付に限られやすい サービス経由の登録メディアに一括配信 サービス利用に加え個別のメディア関係も活用しやすい
費用感 実質ゼロ円に近い(自分の時間コストのみ) 上の表の配信料金が中心 配信料金に加えて執筆・ディレクション費用が発生

具体的な代行費用の相場や依頼すべきかどうかの判断は、この記事では扱わず、外注の要否を判断する記事依頼要否の自己診断記事代行会社全般の記事に譲ります。

表現で気をつけるべき法的な注意点

プレスリリースの表現にも、景品表示法や商品によっては薬機法といった法令が関わる場合があります。これは一般的な考え方であり、個別の表現が問題になるかどうかの判断は専門家への確認が必要です。

景品表示法では、実際よりも著しく優良であるかのように見せる表現(優良誤認)や、取引条件が著しく有利であるかのように見せる表現(有利誤認)が問題になり得ます。返礼品が化粧品や健康食品、医薬部外品などに該当する場合は、効果効能の表現に薬機法上の制約がかかることもあります。前述の通り、裏付けのない実績や数値を書かないことが優良誤認・有利誤認を避ける前提になりますが、それでも表現が適切かどうか迷う場合は、配信前に弁護士など専門家に確認することをおすすめします。

配信後、メディアから問い合わせが来たらどう対応するか

配信後にメディアから連絡が来た場合は、できるだけ早く返信することが基本です。追加の取材や画像提供の依頼に対応できるかどうかを、あらかじめ社内・チーム内で整理しておくと、問い合わせが来てから慌てずに済みます。

プレスリリース本文に記載した問い合わせ先が、実際に連絡を受け取れる体制になっているかどうかも、配信前に確認しておきたいポイントです。担当者が不在にしがちな連絡先や、確認頻度の低いメールアドレスを載せてしまうと、せっかくの問い合わせを取りこぼすことにつながります。

一次情報と確認範囲

2026年9月9日に、本文の料金・制度・運用条件を次の一次資料と照合しました。手順の提案や仮の試算は公式実績ではありません。個別案件の適否・税務判断や、専門家監修・第三者による全文検証を示すものではありません。

まとめ

クラウドファンディングのプレスリリースは、開始前・開始時だけでなく、中盤の節目や達成時、終了時にも配信の機会があります。タイトルとリード文で要点を示し、本文は背景から呼びかけまでの流れで構成し、根拠のない数値や効果を書かないことも欠かせません。配信費用はPR TIMES・共同通信PRワイヤー・valuepress・アットプレスで水準が異なり、割引を使う場合は現在の適用条件を申込前に確認します。

配信タイミングや原稿作成を、事前集客やスケジュール管理といった他の実務と並行してすべて自分で回しきれるか不安がある場合は、NO WAVEの支援範囲で対応する工程を確認し、外部に任せる作業を検討できます。