
- 支援総額
- 1,205,000円
- 支援者数
- 157人
- 達成率
- 100%
- 目標金額
- 1,200,000円
- 募集期間
- 方式
- All-in
- カテゴリ
- ソーシャルグッド
- 地域
- オンライン
弔いをテーマにした新商品のプロジェクトです。さだまらないオバケ様が共同プロジェクトとして「49日のひきだしもなか」を開発し、その製造費と販路づくりのための資金を集めました。
募集期間は2023年4月9日から5月28日までの50日間。目標金額120万円に対して157人から1,205,000円が集まりました。目標に届かなくても実施する、All-in方式での挑戦です。
「49日」という時間が形骸化しているという問題設定
仏教では、亡くなった人の魂は49日のあいだこの世をさまよい、49日目に旅立つとされています。残された人にとってこの期間は、故人への想いや自分の気持ちと向き合うための時間でした。
ところがいまは、葬儀が終わればすぐに仕事へ戻ることが求められ、核家族化が進み、葬儀そのものも小規模になりました。人と人とのつながりも以前より薄くなっています。49日という時間の意味が、現代の暮らし方に合わなくなり、形だけのものになりつつある。ここがこのプロジェクトの出発点です。
亡くなった人を思い出す時間が減ったのではなく、思い出すための「きっかけ」が生活から消えた。プロジェクトはそう捉え直したうえで、そのきっかけを商品として作り直そうとしました。
想いを色にして、雲の形のもなかに乗せる
作られたのは、自分で仕上げる体験型のもなかです。

白あんに色粉を混ぜて色をつけ、その色で故人への想いを表します。色をつけたあんを雲の形のもなかに乗せて食べる。「おもう」「つくる」「たべる」という3つの手順で構成されていて、手を動かしながら故人のことを考える時間そのものが商品になっています。

仏壇の前でなくてもいい、命日でなくてもいい、血縁でなくてもいい。時期も場所も関係性も限定しないことで、これまで弔いの外側にいた人にも使える形になりました。
ページで何を積み上げたか
このプロジェクトのページは、商品の説明から入っていません。順序が逆になっています。
- 49日という習慣の由来を説明する
- それが現代の暮らしに合わなくなっている現状を示す
- その解決として商品を置く
- 「おもう・つくる・たべる」の手順を動画とイラストで見せる
- 石材店や葬儀業界の方からの応援コメントを載せる
- 原材料・賞味期限・保存方法まで書く
新しい概念を提示する商品は、いきなり見せても「これは何なのか」で止まってしまいます。読み手が抱えている問題を先に言語化してから商品を出すと、商品が答えとして機能します。

業界関係者からの応援コメントを載せたことにも意味があります。弔いという領域で新しい形を提案するとき、伝統を軽んじているという受け取られ方をされる危険があります。供養に日々関わっている人が賛同していると示すことは、その懸念に対する先回りになっています。
企画の段階から2021年春の出会い、2022年春のプロジェクト始動という経緯を書いたことも、思いつきではないことを伝える材料になりました。
リターンは体験の単位で組んだ
リターンは1,000円のお試しセット(もなか1個、白あん1個、色粉1色)から始まります。中心になったのは3,500円のもなか7個セットです。1個から試せる価格帯と、実際に使う分量の価格帯が、入口と本命として分けて置かれました。
上位には、ラッピング付きの2箱セット、限定トート付き、団体向けの10箱セットが並び、さらに出張イベントの企画・開催プランが用意されました。他社とのコラボレーション商品も複数組まれています。
資金の使い道は、もなかの金型製造費、パッケージの設計と型製造、材料調達と製造、パッケージ印刷、デザインと動画制作、そしてプラットフォーム手数料と、工程ごとに分けて示されました。新商品の開発では、金型のような初期費用が最も説明を要する部分です。ここを明示できるかどうかで、支援を検討する人の納得感が変わります。リターンの設計はクラウドファンディングのリターン例でも整理しています。
公開後に起きたこと
2023年6月末に商品が完成し、順次発送が始まりました。活動報告では、パッケージデザインの完成、使いやすさへのこだわり、ワークショップを通じたブラッシュアップの経緯が共有されています。支援者に送るサンキューカードもオリジナルで作られました。
その後、お盆の時期に合わせた企画も展開されています。季節の行事と結びつく商品は、一度きりで終わらずに毎年使われる可能性を持ちます。
実行者から伺っている、資金以外の効果は次の2点です。
- この実績をもとにメディアからの取材を獲得できた
- 公開したページがそのままLPとして機能した
この案件を振り返って
弔いや供養は、多くの人が関わるのに商品として語りにくい領域です。手を合わせる代わりに何をするのか、という問いに具体的な形で答えたことが、このプロジェクトの中心にありました。
社会的なテーマを扱う企画では、伝えたいメッセージが先に立って商品の輪郭がぼやけることがあります。ここでは「色をつけて、乗せて、食べる」という手順まで落とし込まれていたため、読んだ人が自分の使う場面を思い浮かべられました。何を実現したいかを詰める段階の考え方はクラウドファンディングの始め方にもまとめています。