20人で目標に届いた新商品|北海道えりも町の日高昆布サブレ

天然日高昆布を使ったサブレ Mrs.blanc.sable のメインビジュアル
支援総額
300,200円
支援者数
20人
達成率
100%
目標金額
300,000円
募集期間
方式
All-in
カテゴリ
まちづくり・地域活性化
地域
北海道えりも町

北海道えりも町の特産である天然日高昆布を使った焼き菓子の開発プロジェクトです。えりも亭LUXE様が、新商品の製造と販路づくりのための資金を集めました。

募集期間は2025年11月17日から12月15日までの29日間。目標金額30万円に対して20人から300,200円が集まりました。目標に届かなくても実施するAll-in方式です。

空き家の解体費用という、菓子から遠い課題

このプロジェクトが背景に置いたのは、菓子の開発とは一見関係のない問題でした。

えりも町はかつて日高昆布と鮭漁で栄えた町です。近年は漁獲量が減り、後継者も不足し、人口の流出が続いています。そのなかで深刻さを増しているのが空き家の問題でした。漁師をやめた方の家が次々に空き家となり、高齢になった元の所有者が、限られた年金のなかから300万円から500万円という解体費用を負担しなければならない状況が生まれています。

町の課題を書いて、その解決のために菓子を作る、という構成には飛躍があります。このページはその飛躍を、実行者自身の経歴で埋めました。水産加工業に30年、飲食店の経営に16年という履歴です。町の産品を扱ってきた人と、それを料理として出してきた人が同一人物であるため、昆布を菓子にするという発想に必然性が生まれています。

事業として成り立たせ、いずれえりも町に高級飲食施設を開く。空き家の課題は、その先に置かれた目標として示されました。

昆布を菓子に変える

作られたのは「Mrs.blanc.sable(ミセスブランサブレ)」という焼き菓子です。

開発されたサブレ Mrs.blanc.sable

北海道産小麦の風味を土台に、日高昆布の旨味とトリュフの香りを合わせています。ページでは、シャンパンの余韻に寄り添う菓子として位置づけられました。

開発には、ミシュランの北海道版に掲載された経験を持つシェフが加わっています。その方の経歴と、料理に向き合うことについての考え方が本文に引用され、商品の裏付けとして機能しました。

リターンに含まれるショコラテリーヌ

昆布を菓子に使うという組み合わせは、説明を聞くまで想像がつきません。だからこそ、誰が作っているのかが判断材料になります。産地の知識を持つ実行者と、調理の技術を持つシェフ。この2人の組み合わせが、試してみようという気持ちを支える構造になっていました。

20人で30万円に届いた

このプロジェクトで注目したいのは支援者の数です。20人で300,200円ですから、1人あたりの支援額はおよそ15,000円になります。

100人、200人と集まる案件と比べると、支援者数は多くありません。それでも目標に届いたのは、リターンの価格帯を高い側に寄せたからです。

  • 3,000円:サブレ(9枚程度)
  • 6,200円:ショコラテリーヌ1本
  • 12,000円:3種の菓子セット、または食事チケット15,000円分
  • 70,000円:食事チケット100,000円分
  • 200,000円:レシピ開発サービス

食事チケットは額面より安く買える設計になっていて、店に足を運べる方にとっては実質的な前売りになります。最上位の20万円は、打ち合わせから試作、指導までを含むレシピ開発の請負です。これは商品ではなく、実行者の技術そのものを売る枠でした。

店で提供される料理

支援者が多く集まらない見込みのとき、目標金額を下げるという判断があります。このプロジェクトはそれに加えて、1人あたりの単価を上げる方向でも設計していました。すでに店を知っている人、料理人としての実行者を知っている人が動けば届く金額に、目標が置かれています。

支援者の数と単価のどちらで組み立てるかは、事業の性質によって変わります。飲食店のように、来店する常連が一定数いる業種では、単価の高いリターンが機能しやすくなります。この考え方はクラウドファンディングのリターン例でも価格帯ごとに整理しています。

ページの積み上げ方

構成は、次の順序で組まれています。

  1. えりも町の現状と空き家の問題
  2. 実行者の30年と16年という履歴
  3. 日高昆布という素材の価値
  4. 協業するシェフの経歴と考え方
  5. 試作した菓子の写真
  6. 資金の使い道

菓子の写真は、サブレ、テリーヌ、クレームシブースト、そして店で出しているコース料理まで段階的に配置されました。暗い背景でそろえられた写真が並ぶことで、価格帯が高い理由が説明を読む前に伝わります。

新商品のプロジェクトでは、商品の写真がそのまま説得力になります。撮り方が価格帯と合っていないと、金額の根拠が本文の説明だけに頼ることになります。ページ制作で何を準備するかはクラウドファンディングのページ制作代行にまとめています。

この案件を振り返って

支援者20人という数字だけを見れば、規模の大きな案件ではありません。ただ、目標金額と支援者数と単価の3つは、どれか1つだけを決めることができない関係にあります。

このプロジェクトは、集まる人数を現実的に見積もったうえで、その人数で届く金額を目標に置きました。無理のある目標を掲げて未達に終わるより、確実に成立する設計を選んでいます。目標金額の立て方はクラウドファンディングの目標金額の決め方で扱っています。

町の課題を語りながら、まず自分の事業を成り立たせるところから始める。手の届く範囲から積み上げる姿勢が、金額の置き方にも表れていました。