
- 支援総額
- 1,020,000円
- 支援者数
- 203人
- 達成率
- 204%
- 目標金額
- 500,000円
- 募集期間
- 方式
- All-in
- カテゴリ
- フード・飲食店
- 地域
- 兵庫県尼崎市
兵庫県尼崎市のカフェ開業プロジェクトです。3人の子どもを育てながら「cadode cafe」を立ち上げた高井萌様が、店舗の改装費用を集めました。
募集期間は2023年3月7日から3月31日までの25日間。目標金額50万円に対して203人から1,020,000円が集まり、達成率は204%となりました。公開から5日目で目標に到達し、その後ネクストゴールとして100万円を掲げ直しています。
「自分の夢に蓋をしている人が多すぎないか」という問いから始まった
実行者は、2歳の双子と0歳の子どもを育てている最中にこのプロジェクトを立ち上げました。
双子を出産したあと、外出のたびに周囲へ気を遣い、心からくつろげる場所がないことに気づきます。それまで意識したことのなかった、自分が少数派の側にいる感覚を初めて持ったといいます。子育てによって社会との距離が生まれ、先の見えない不安を抱えるなかで、周りを見渡すと、自分の望みに蓋をしたまま暮らしている人が多いのではないかと考えるようになりました。
そんなとき「自分で自分に不自由な呪いをかけている」という言葉に出会い、人生はもっと自由に選べるはずだと思い直します。学生時代から抱えていたカフェを開きたいという願いを思い出し、ちょうど間借りの話が来たことで、実現までの道筋がつながりました。

プロフィールには、コミュニティナース、3人の母、多胎育児の支援といった言葉が並びます。カフェを開きたいという願いと、これまでやってきたことが、ページの中でひとつにつながっています。
誰のための場所かを、設備の粒度まで書いた
cadode cafeは、JR塚口駅から徒歩8分、築52年の長屋の一室に開かれました。1階でコーヒーと焼き菓子を提供し、2階はイベントスペースとして貸し出します。ヨガやマルシェなどの開催が想定され、菓子製造業と飲食店営業の許可を取ったキッチンのレンタルも計画に入りました。
掲げられたコンセプトは「ふらっと入れて、安心してお話ができる空間」です。ここで効いているのが、安心の中身を具体的に書いたことでした。
- 授乳室
- おむつ替え台
- キッズスペース
- 双子用ベビーカーで入れる動線
子連れで過ごせますという一文だけでは、実際に子どもを連れている人には届きません。双子のベビーカーが入るかどうかは、当事者にとっては行けるか行けないかを分ける条件です。実行者自身が困ってきたことが、そのまま設備の説明になっています。
さらにこの店には、来た人が自分の願いを話し、その実現を応援する場所にしたいという役割が与えられました。店名の「門出」はそこから来ています。自分のカフェを開くという個人的な願いが、他の人の門出を後押しする場という形に言い換えられた点が、支援の集まり方に直結しています。
推薦の集め方に幅を持たせた
ページには複数の方からの応援コメントが並びました。特徴は、立場がそれぞれ違うことです。
- NPOの関係者
- 間借り元の店舗オーナー
- コーヒー豆の焙煎を手がける事業者
- 多胎育児の支援に携わる方
同じ属性の人ばかりが並ぶと、身内の応援に見えてしまいます。地域活動、飲食、コーヒーの品質、子育て支援と、角度の異なる人が推薦していることで、この店が複数の文脈で必要とされていることが伝わります。
資金の使い道は、2階部分と階段とトイレのリフォーム、子連れ向けの設備導入、返礼品の製作費、プラットフォーム手数料に分けて示されました。目標金額の立て方はクラウドファンディングの目標金額の決め方で考え方を整理しています。
達成後にリターンを足して、二段目を作った
公開5日目で目標に届いたあと、このプロジェクトは止まりませんでした。ネクストゴールを100万円に設定し、リターンを追加しています。

追加されたのは、2階を半日貸し切れるチケットと、オープン前のレセプションパーティーへの招待でした。どちらも原価がほとんどかからず、店の側にとっては開店前に人を呼ぶ機会になります。
リターン全体を見ても、1,000円のお礼メールから、コーヒーチケット、ドリップバッグ、焼き菓子のセット、そして2階の貸切や店舗まるごとの貸切まで、金額の幅が広く取られています。支援を検討する人が、自分の距離感に合った関わり方を選べる構成です。リターンの段階の作り方はリターンの決め方にまとめています。
公開後に起きたこと
2023年5月9日にオープンしました。活動報告では、リターンの発送スケジュールが品目ごとに示されています。ステッカーは5月上旬、ドリップバッグは5月末から6月初旬、焼き菓子のセットは5月末ごろ、というように、いつ何が届くのかが個別に案内されました。
発送が遅れる際にも、その都度報告が出ています。リターンの配送は、実行者にとって募集期間よりも長く続く作業です。ここでの連絡が滞ると、達成の熱がそのまま不信に変わります。
この案件を振り返って
25日間で203人が支援に加わりました。金額の規模で見れば大きな案件ではありませんが、1人あたりの支援額が5,000円ほどで200人を超えたという構成は、身近な人が確実に動いたことを示しています。
クラウドファンディングは、お金を集める道具である前に、信用を目に見える形にする道具です。このプロジェクトは、実行者がそれまで地域や子育ての現場で積み上げてきたつながりが、支援という形で表に出た例だと考えています。